『わがまま きまま 想うがまま』 日本本土から南に1000㌔小笠原諸島・父島から出発。 花鳥風月を感じ、カナダを旅していきます。

2016年9月2日金曜日

『ハイダ・グワイまでの道のり』

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ハイダ・グワイ(Haida Gwaii)(旧クイーンシャーロット)を知ったきっかけは、

日本で読んでいた冒険家・写真家の星野道夫さんの本。


「旅をする木」の「トーテムポールを探して」の文章だった。


ハイダ・グワイがとても大好きで魅了されていたことがわかる彼の文章を読み、

いつかは自分自身でその世界を見てみたい・感じたいという想いがあった。


ただ、今回のカナダ旅中に絶対に行くと決めていたわけではない。

人生でいつかは行けたらいいなぁ程度だった。

それは、ハイダ・グワイがカナダの中でも辺鄙な場所にあり、行きづらいと思っていたからだ。


しかし、7月にお世話になったファームステイ先のホストの一言で今回行く原動力が湧いた。

その彼女の一言

『日本からハイダ・グワイまでの距離とバンクーバーからハイダ・グワイまでの距離、
どっちが近い? すぐそこよ。』

そして、英語で書かれたハイダ・グワイの本をプレゼントしてくれた。

こうして、9月にハイダ・グワイに行くことを決めた。


ハイダ・グアイ(旧クイーン・シャーロット島)は、

東アラスカの国境からわずか70キロに位置する大小150の島々からなる群島。

ブリティッシュコロンビア州都のバンクーバーからだと、約750kmも北西にある。

アラスカから入った方が距離的には近いわけだ。


まずは、ハイダ・グワイまでどうやって行くか。


ルートは2つ。

バンクーバーからハイダ・グワイのモースビー島サンドスピット(Sandspit)へ
1日1便運航されている定期航空便を使うか、

本土対岸に位置するプリンス・ルパートから週数回運航されているフェリーで、
ハイダ・グワイのグラハム島スキッドゲート(Skidegate)に行くか。

飛行機は値段がとても高い。

お金はないが、時間はある私達は

バスでバンクーバーからプリンス・ルパートまで行き、

プリンス・ルパートからフェリーでいく方法を取ることにした。


それにあわせて、今まで乗っていた車を手放すことにした。

ハイダ・グワイまで車を連れて行くのは金銭面&手間を考え、大変だと判断した。

半年お世話になった車に感謝をこめながら洗車して、

荷物をまとめ、車をディーラーに託した。



バンクーバーでどうしても食べたくなったラーメン&餃子を頬張り、

明日からの長距離移動に向けて、英気を養う。


すべての荷物を自分で背負って、はじめて車の有り難みを感じた。

いつのまにか増えていた荷物は私達の肩にずっしりと食い込み、

歩くのすら億劫に感じた。



バンクーバーからプリンス・ルパートまでバスを二回乗り換え、26時間かけて行く。


バンクーバーAM6:30に出発するグレイハウンドバスに乗るため、

始発の電車に乗り込む。

まだ日も明けていない寒空のなか、駅もオープンしておらず外で待機。



始発電車に一番乗りして、やっとバス乗り場に到着。

 



今回乗るグレイハウンドバスのスケジュール

30/08/16 06:30AM GLC-5000 * Depart VANCOUVER, BC
30/08/16 08:15AM GLC-5000 * Arrive CHILLIWACK, BC
30/08/16 08:35AM GLC-5042 * Depart CHILLIWACK, BC
30/08/16 06:40PM GLC-5042 * Arrive PRINCE GEORGE, BC
30/08/16 09:30PM GLC-5039 * Depart PRINCE GEORGE, BC
31/08/16 08:20AM GLC-5039 * Arrive PRINCE RUPERT, BC


バスは全てトイレ付き、車両によってはWi-Fiが付いていた。


比較的快適に過ごせたが、熟睡は出来なかった。

とても緊張していた。

バンクーバー出発時間が6:30の予定が6:20には出発。

当然のようにアナウンスなしのいきなり発車。

途中でドライバーは弾丸早口英語でなにかをアナウンスしている。

道が混んでいるから、バス乗り換えてと言っているような。。。

おちおち寝ていられない。


予定はあくまで予定。

日本の交通は本当に時間通りで正確・丁寧だと思う。

5分遅れれば、日本の運転手はわびのアナウンスをする。

ここカナダでは遅れても当然かのような対応。


バス移動の途中、何度か休憩時間があった。

ただ、やはり予定が押せば、休憩時間は減らされる。

ドライバーが休憩時間1分!と言ったときは笑ってしまった。

タバコを吸いたくてイライラしている乗客はタバコ一本も吸えないのか!と怒っていたが。


バンクーバーから出発し、車窓からの景色は無機質な高い建物が次第になくなり、

緑と山が増えていった。


乗り換えの待ち時間が4時間以上もあったプリンス・ジョージには、

あまり良い印象がない。

正直、治安が悪いと思った。


バス停留所のまわりには怪しい人がたくさんいて、

アジア人は私達以外はいない。

閉店ギリギリまで近くのコーヒー屋さんで過ごし、

残りの待ち時間はバス停留所で過ごすことに。

アナウンスを聞き逃すまいと、気を張りながら次のバスを待った。

そんな様子を見てか、

見た目はとても怪しいおばさん・おじさんが声をかけてくれて、色々アドバイスをくれた。

おかげで、無事にバスを間違えることなく乗り換えることが出来た。


車窓からの景色は、山脈に挟まれたスキーナー川が見え、

いつクマが川縁に出てきてもおかしくない雰囲気を出していた。

川に沿ってバスが走っている最中、小雨が降った。

吐く息は若干白い。

バンクーバーから北に750キロ、やっとの思いでプリンス・ルパートに到着。


ここから翌朝に出発するフェリーに乗り、ハイダ・グワイを目指す。

プリンス・ルパートに1泊滞在、

空いた時間は疲れた体に鞭を打ちながら、街中を歩き回った。


1泊では足りないと感じるくらい、私達好みの街だった。

コーヒー屋さんはかわいらしく、建物の外壁にはシャチやクマの絵が描かれ、

のどかな印象を受けた。


太平洋に面したカナダ最西端の港町プリンス・ルパートは、

日本・中国などのアジアやすぐ北のアラスカへの物資輸送のベース基地にもなっている。


また多くのアラスカクルーズが穏やかな内海のインサイド・パッセージ航路を通り、

このプリンス・ルパートに立ち寄る。

世界各地をまわる大型観光船が入港した際は、街中はきっとにぎやかになるだろう。



夕方、宿でゆっくりシャワーを浴び、早めに就寝。

翌朝、AM10:00出航のフェリーに乗るため、早朝に宿をチェックアウト。


宿からフェリー乗り場までは距離4キロ。

勾配のきつい坂が多く、大量の荷物を持って歩くのは厳しいと判断し、タクシーを使うことに。

私達の荷物を見ても驚かないタクシードライバー。

彼が乗ってきた普通乗用車にはこの荷物は乗らないだろうと勝手に思っていたが、

彼曰く、余裕との事。


走り始めて、私達は何度も後ろを振り返り、荷物がなくなっていないか確認した。


ハイダ・グワイ行きのBCフェリーにチェックインする。

厳重なチェックインで、パスポートのコピーまで取られた。

大きな荷物はチェックイン時に預けることが出来る。

ただ、預けた荷物はハイダ・グワイ到着時まで受け取ることが出来ないので注意が必要。


プリンス・ルパートで買ったお菓子・パンを小脇にかかえ、船内に乗り込む。


デッキは全部で3つ

全長117mとおがさわら丸に比べれば小さいフェリーだった。

さっそく、船内探検へ

 

甲板デッキにあがると、プリンス・ルパートの霧がかった山並みが見えた。

椅子もたくさんあり、小雨が降っていなければ、外でのんびり出来そうだった。

驚いたのは、BBQコンロが置かれていたこと。

さすが、BBQ好きな国だなと思った。

 

 

そして、出航の時間。

到着予定はハイダ・グワイのグラハム島スキッドゲート(Skidegate)にPM5:00

7時間の船旅が始まった。

私達にとっては、船旅7時間はあっという間に感じる時間だと思う。


船内には、いたるところに椅子がある。しかも全てリクライニングシート。

もちろんお金を出せば、シャワー付きのベッド個室もあるが、

7時間程度であれば、特にグレードをあげることもないかと思う。


この人絶対島民だ、と思わせる人の行動を見かけた。

それは地べたに直接ブランケットと寝袋をひいて、

船内テレビの電源を引き抜き、かわりに自分のパソコンの電源を確保して映画鑑賞していた人。

どこの船でも国が変わっても、同じような事を考えるものだと思った。


また船内にはキッズスペース・シャワールーム・食堂・ギフトショップがあった。

食堂は朝食メニューとランチメニューが別々にあり、

お値段の割にはボリューミーで満足でした。


プリンス・ルパートの山並みが船から見えなくなる頃、

海上にいるはずなのに揺れを全く感じないべた凪の航海。

船内で本を読んだり、日記を書いたり、お土産屋さんをのぞいたり。


船は定刻PM5:00にハイダ・グワイに到着した。



ハイダ・グワイのグラハム島スキッドゲート(Skidegate)に到着した後、

これからお世話になるファームステイのホストと落ち合う。

お互いにWEB上の顔写真でしか面識がないため、上手く会えるかどうか不安になっていた。

船待合所でキョロキョロしていると、

厳ついがっしり体型のおじさんと顔の色んなところにピアスが開いている若い女性が近づいてきて、

私たちに1枚の紙を見せてきた。

私達の顔写真だった。


私達が探していたホストとは全く異なる人が迎えに来ており、

バァーっと早口英語で話しかけられ、車に乗れと言われた。


なんだか拉致られたような気分だったが、

とりあえず、船待合所から移動することになった。


これから始まる1か月間のハイダ・グワイ生活

不安しかなくなった瞬間だった。




あとがき

私達のカナダ旅最後のファームステイ、ハイダ・グワイ編です。
今までカナダでお世話になったどの農家さんよりも
良い意味で自由、悪い意味でほったらかし。
面白い農家さんたちでした。

バンクーバーからハイダ・グワイまでのバス&フェリー移動は、とてもしんどかったです。
のんびりバスで移動というわけでもなく、どちらかと言うと、忙しなく動いていました。
お金に余裕があるのであれば、飛行機をオススメします。
ただ、移り変わる車窓からの眺めはとても楽しかったです。
マイカーで自分たちのペースで行くのが、性にあっていたのかもしれません。
(2017.2.6)

すだっち
















































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